日本における梅毒発生動向2004–2018
1 国立感染症研究所実地疫学専門家養成コース
2 国立感染症研究所感染症疫学センター
3 国立感染症研究所細菌第一部
国内で増加している梅毒の発生状況を把握するため、2004–2018年の梅毒の感染症発生動向調査の結果を用いてその動向を確認した。梅毒報告数は2011年以降継続して増加していた。2018年の報告数は7,003例(男4,589、女2,414)で、男女とも早期顕症梅毒が増加の中心であった。男性は40–44歳の報告が最も多く、2014年以降幅広い年齢層、特に20–39歳で増加していた。女性は20–24歳の報告が最も多く、また最も増加していた。感染経路は、男性では異性間性的接触による感染の増加が続いており、感染経路が報告された症例の7割弱を占め、女性も大多数を占める異性間性的接触による感染の増加が続いていた。ただし2018年には東京の異性間性的接触による感染増加の勢いは止まってきていた。若年者を中心にした性教育や早期診断早期治療の推進、不特定多数を相手にした無防備なセックスを避ける啓発等の対策に加え、母子感染を含む梅毒の発生動向を監視していくことが重要である。
Key words: syphilis; heterosexual transmission; Japan
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