1期梅毒診断におけるTP抗体迅速検査キットの有用性
1 あおぞらクリニック新橋院
2 あおぞらクリニック新宿院
3 あおぞらクリニック看護部
梅毒の診断においては血清学的検査が重要であるが、1期梅毒においてはその結果が陰性の場合があり、診断に苦慮することがある。当院では梅毒の血清学的検査として、TPLAとRPRの定量検査に加えてTP抗体迅速検査キットを用いた定性検査(以下「TP迅速検査」)を実施しているが、TP迅速検査のみ陽性の1期梅毒症例が散見される。そこで今回我々は、1期梅毒におけるTP迅速検査の有用性を検討した。2015年1月1日から2017年12月31日までの間に当院で1期梅毒と診断した258例についてTPLA、RPR、迅速検査の陽性率を求めたところ、それぞれ79.1%、81.8%、99.6%であり、TP迅速検査のみ陽性の症例が30例(11.6%)あった。この30例は偽陽性の可能性が懸念されたが、このうち追跡可能だった14例の全例で治療開始後3ヶ月以内にTPLAが陽性となった(RPRは全例で陰性)ため、偽陽性の可能性は低いと考えられた。迅速検査は手技が簡便であり、短時間で結果が得られるという特長もあるため、梅毒診療において有用であると考えられた。
Key words: syphilis; rapid test; sensitivity; immunochromatography; treponemal test
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