早産に至る細菌性腟症の診断への細菌培養併施の有用性
1 高知医療センター産婦人科
2 高知医療センター細菌検査室
細菌性腟症(BV)はNugent score(NS)を用いた診断を行う。NSは客観的な基準であることが望まれるが検査する技師により差が生じる可能性がある。早産の予知に有効な細菌性腟症の診断方法について検討を行った。当院において、2012年4月より2016年3月までの4年間に分娩となった2,454症例のうち、20週未満に当院で妊娠初期検査として腟分泌物細菌検査を行った741例を対象とし診療録より後方視的に検討を行った。NSもしくは培養結果でBV群、非BV群に群別したものとで、それぞれ周産期予後、特に28週未満早産のリスクについて単変量、多変量解析で検討した。NSによるBV群では28週未満早産が1例(1.3%, p=0.542)であった。培養によるBV群では28週未満早産が5例(4.3%, p=0.0015)であった。28週未満早産のリスクとしてはGardnerella vaginalisおよび妊娠高血圧症候群が多変量解析で有意であった。培養によるBVの診断はNSに比べ、重症な早産をより正確に予知できる可能性が示された。
Key words: Gardnerella Vaginalis; Bacterial Vaginosis; preterm birth; Nugent Score
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